デンソー、世界最高の噴射気圧を実現したディーゼルエンジン用のコモンレールシステムを開発
〜車両の燃費向上と排ガスの浄化に寄与〜

2013年06月26日

 株式会社デンソー(本社:愛知県刈谷市、社長:加藤 宣明)は、世界最高【注1】の最大2500気圧の燃料噴射圧力を実現できるディーゼルエンジン用の電子制御燃料噴射システム「コモンレールシステム」を開発しました。従来の2000気圧システムと比べ、構成部品の構造の改良と燃料噴射圧力の高圧化などにより、車両の燃費を最大3%向上するとともに、排ガス中の有害物質であるPM(粒子状物質)の発生を最大50%、NOx(窒素酸化物)を最大8%削減することができます【注2】。

 コモンレールシステムでは、燃料ポンプからインジェクター(燃料噴射装置)まで送られる燃料のうち、一部がエンジンの燃焼室に噴射されずシステム構成部品の潤滑などに使用され、その後に燃料タンクに戻されます。今回開発したコモンレールシステムは、構成部品であるインジェクター、燃料ポンプ、コモンレール(蓄圧室)の構造を改良することにより、燃料タンクに戻されていた燃料を従来のシステムに比べて約9割削減し、燃料ポンプの負荷を大幅に低減しています。これに加え、部品の構造の見直しや材料の改良によるシステムの高圧化により、噴射される燃料をより微粒化し、着火性と燃焼状態を改善できるため、燃費性能の向上と排ガスの浄化に寄与することができます。また燃料ポンプの負荷低減により、噴射圧を高めながらもポンプ体格は従来レベルを維持しています。

 今回開発した2500気圧コモンレールシステムは、今年から乗用車や商用車、農建機などあらゆる分野でグローバルに展開していきます。また、3000気圧コモンレールシステムの製品化を目指して開発に取り組んでいます。

 ディーゼルエンジンの環境性能を大きく左右する燃焼過程において、燃料噴射システムは最も重要な技術の一つです。日米欧を中心として世界各国の排ガス規制が強化される中、燃料の噴射量、噴射時期、噴射圧力を高精度で制御することが求められています。
 コモンレールシステムは、ディーゼルエンジンにおいて主流の燃料噴射システムで、燃料ポンプで高圧化された燃料が、コモンレールと呼ばれる蓄圧室に蓄えられ、電子制御によってインジェクターから燃焼室に噴射されます。高圧燃料をコモンレールに蓄えることによって、燃料の超高圧化だけでなく、エンジンの回転速度に依存せずに、噴射圧力、噴射量、噴射時期を制御することができます。

 デンソーは、1995年にコモンレールシステムを世界で初めて商品化しました。2002年には当時の世界最高圧である1800気圧システムを実現し、さらに2008年には2000気圧システムを商品化しています。また2012年には、各インジェクターに内蔵された圧力センサーが噴射圧をリアルタイムに測定し、インジェクターごとに噴射量やタイミングを制御することできる世界初のエンジン制御システム「i-ART(intelligent-Accuracy Refinement Technology)」を商品化しました。今後もディーゼル車の環境性能向上に貢献する技術・製品の開発に取り組んでいきます。

<注釈>

【注1】インジェクター、ポンプ、コモンレールで構成されるコモンレールシステムにおいて。
デンソー調べ、2013年6月時点

【注2】デンソー調べ


新たに開発したコモンレールシステム
(左からポンプ、インジェクター、コモンレール)

以上