暮れも押し迫った12月22日(土曜日)~24日(月曜日・祝日)、平成19年度 FID*バスケットボール日本代表チームの第二次強化合宿が、安城製作所健保体育館で開催されました。
当社は「日本FIDバスケットボール連盟」が設立された1999年当時から、安城製作所健保体育館を選手の強化合宿の場として提供し、宿舎も社員クラブ「安城荘」を提供するなど永年にわたって支援を続けており、今回はその9回目となります。
今回の合宿の目的は、2008年度の「オープンワールドカップ」に向けて新たなチーム編成を行い、世界で競合できるチームを育成することにあります。全国から選抜された候補選手たちは、日本代表チームに選考されることを目指して真剣な表情でトレーニングに励み、地元高校のバスケットボールチームとの練習試合に元気一杯に汗を流していました。
* FID=For persons with an Intellectual Disability。
(財)日本バスケットボール協会の公認団体として1999年3月21日に日本FIDバスケットボール連盟(日本知的障害者バスケットボール連盟)が設立されました。知的障がいを持ちながらもバスケットボールを愛する選手の普及・強化を図っています。
概要
- 実施月日
- 平成19年12月22日(土曜日)~12月24日(月曜日)
- 実施会場
- 株式会社デンソー安城製作所健保体育館
- 参加者
-
- 選手
- 男子 14名
- 女子 15名
- スタッフ
- 男性 8名
- 女性 7名
日程
- 12月22日(土曜日)
- 午前: 基礎練習
- 午後: 練習(チーム練習)
- 12月23日(日曜日)
- 午前: 練習試合 男子:緑高校 女子:緑高校
- 午後: 練習試合 男子:三好高校 女子:知立東高校・大府東高校
- 12月24日(月曜日)
- 午前: 体力測定

写真説明:安城製作所健保体育館に入ると、女子選手たちのチャレンジ目標が壁に貼り付けてありました。「シュートを確実に決める!!」 「周りの状況を見ながら判断し、しっかりと確認する」など、それぞれの気持ちが伝わってきます。

写真説明:今回の練習試合の相手は、男子が名古屋市立緑高校と愛知県立三好高校。女子は愛知県立の大府東高校と知立東高校。

写真説明:男子のヘッドコーチ・小川直樹さん(中央)は、現役時代バスケットボール日本リーグの名門NKK(日本鋼管)の一員としてプレイし、日本代表の花形選手として活躍した人。鬼コーチに徹し、選手のプレイの問題点を鋭く指摘しながら、熱く指導する声が体育館に響き渡ります。

写真説明:小川ヘッドコーチの厳しい特訓が続きます。どんなに怒鳴られても、選手は唇をかみ締めながら素直についていきます。きっと、小川さんの熱意と大きな愛を、選手自身が一番感じているからでしょう。

写真説明:練習風景を温かく見守るデンソーの石丸特別顧問(左)と鬼丸安城製作所所長。休日にも関わらず、お二人とも練習が始まった9時過ぎには会場に現れ、熱心に応援。
スポーツ好きな石丸特別顧問は選手たちの情報にも詳しく、当日怪我や病気で練習に加われなかった選手たちの体調を心配されていました。

写真説明:4番の津恵祥平選手(画面右でジャンプしている赤いパンツのユニフォーム姿)は、2006年横浜で開催された「デンソーカップ(INAS-FID)バスケットボール世界選手権大会」でもキャプテンを務めた選手。この日もチームをまとめながら主力となって得点に貢献していました。

写真説明:津恵選手のシュートが決まる瞬間。

写真説明:前日の練習で捻挫し、この日の練習試合に出場できなかった中川雄一郎選手(左)。2006年の世界選手権でギリシャを相手に大活躍をした彼に「将来の夢は何?」と聞くと、恥ずかしそうに、「プロの選手」という言葉が返ってきました。今年、定時制高校を卒業する19歳の若者です。

写真説明:女子チームを率いる石毛克岳ヘッドコーチ(左)。2007年、山口県で行なわれたFIDの大会へは、新幹線を利用すると倍以上の費用がかかるので、愛知から夜行バスをチャーターし、
一泊は車中、朝食は吉野家の牛丼ですませるなどやり繰りして、2万円で大会に参加したそうです。学校を出て1、2年の選手や高校生が多いため、コーチは経済的なやりくりにも大いに頭を悩ますようです。

写真説明:愛知県立大府東高校との練習試合。バスケットの選手にしては小柄な選手が多い女子チームの中で、身長175センチメートルとひときわ大きい14番佐藤舞選手は、20歳の介護士。
老人ホームで働いているそうです。毎日歯磨きから下の世話まですべてやってあげていると、微妙な表情でおじいちゃんやおばあちゃんの気持ちが分かってくるので、それがとてもうれしく、やりがいがある仕事だといいます。

写真説明:愛知県立知立東高校との試合。佐藤選手のシュートが決まりました。心優しく頼もしい看護士さんは、バスケットチームにとっても頼もしい選手でした。

写真説明:午前中の練習試合が終ったところで、石丸特別顧問の激励の挨拶があり、みんなで石丸顧問を囲んで記念撮影しました。

写真説明:昼食中の高校の先生たち。FIDのチームとの練習試合は、生徒たちにとって他のチームとの試合にはない良い刺激があるそうです。
「こっちは高校生ですから部活で毎日練習していますが、FIDの選手はそうはいかない。こうした合宿のときしか全員集合の練習ができないし、働いている選手は日頃も週に2日練習できればいいほうでしょう。でも、すごく頑張っている。だからFIDの人たちに負けるわけにはいきません。必死です(笑)」とのこと。

写真説明:山本幸子選手。「私、携帯電話に自分のホームページをもっているんですよ。今日は特別見せてあげます」と携帯電話を取り出して見せてくれました。明るい19歳の女の子です。

写真説明:左から斉藤芳樹選手、津恵祥平選手、森崎清隆選手。
斉藤さんはスーパーのお惣菜屋さんで揚げ物を揚げたりパックする仕事。津恵さんはクロネコヤマトで、梱包の仕事をしているそうです。森崎さんはまだ高校生で、合宿は初参加。
「思っていたよりトレーニングはキツかった」とか。

写真説明:メンバーへの指導をする小嶋隆司アシスタントコーチ。
「知的障がいがある子はずっと人に馬鹿にされたり、除け者にされたりしてきたため、
物事に消極的だったり、いろんな問題を抱えていた子がほとんどです。でもバスケットを覚え、練習を重ねていくうちに、いつか少しずつパスができたり、シュートができるようになり、だんだん自分への自信を取り戻し成長していきます。容易なことではないし、時間はかかりますが、バスケットを通して彼らが生きる自信をつけて社会に巣立っていけるのを手助けできることが私たちの一番の喜びです」。