人材育成の推進

(1)基本的な考え方

多様な個性を持つ世界中のグループ社員一人ひとりが、共通の価値観を持ち、成長感と達成感を得ながら活躍するため、様々な能力開発の機会提供に努めるとともに、公平・公正に評価される制度づくりに取り組んでいます。

(2)新・人事施策の導入

デンソーは持続的な企業成長ビジョンの実現に向け、自動車産業の新たな領域開拓を支える人材の育成方針として、2010年度に「Opening New Frontiers」をキーワードとする新・人事施策を策定・導入しました。そのめざす姿は、挑戦する風土のさらなる醸成により個人とチームの成長を促し、新たな技術・新たな市場・新たな働き方を開拓・確立することにあります。そのために、「成長し続ける個人づくり」「支え合うチームづくり」「挑戦する風土づくり」の3施策を柱に、仕組みや制度の整備を進めています。

◎新・人事施策がめざす姿

図:CAPSの仕組みと運用

(3)世界共通の教育体系・人材管理プロセス整備

デンソーの海外現地社員は約6万名と約半数となり、真のグローバル企業として各国で密着したマネジメントを推進するには、現地人材の積極的な育成・登用が不可欠です。

現地人材を育成する上で最も重視しているのが、デンソー流の考え方を理解し、仕事の進め方、課題解決法、管理手法を身に付けてもらうことです。そのために、デンソースピリットの共有活動に加え、グローバル共通教育の開発に取り組み、順次、世界中のグループ会社に展開しています。

また、現地人材の経営幹部登用を加速するため、幹部候補向けの育成プログラムを開発・導入するとともに、人材管理プロセス(目標管理・評価・異動・昇進等)の共通化を図っています。2010年度は、新・人事制度の導入に合わせて、海外子会社の課長級以上の社員については、日本と同じシステムで評価する体制を構築しました。こうしたグローバル施策に加え、各地域でも実情を踏まえた取り組みを進め、北米・欧州・豪亜では将来の幹部候補向け育成プログラムを開発・展開し、中国などでは製造部門のコア人材育成に注力しています。

◎海外グループ会社の幹部ポストに占める現地社員数
2008年度
2009年度
2010年度
146名(総数367名)
154名(総数455名)
236名(総数628名)

(4)自主性を尊重したキャリア形成と研修の充実

(株)デンソーでは、全社員が毎年、自主目標を設定し、上司との定期面接を通じて能力伸展と取り組みプロセスを重視した評価を行っています。目標設定では、管理者だけでなく、全員が「後進育成」に関わる目標を盛り込むこととし、人材育成を重視する風土を醸成しています。

また、幅広い実践経験を積むため、毎年、キャリア希望(短期・長期)を自己申告し、上司・部下の合意のもとで育成ローテーションを実施しています。

こうした取り組みをより強化すべく、2008年度から計画的な育成ローテーション体系の整備を開始し、若い世代から幅広い経験を計画的に積める体制としています。2010年度は、新・人事施策の一環として、個人の専門性向上に向けた育成指針「スキル育成ガイド」を導入し、従来のキャリアデザイン面談と合わせて運用しています。職場外研修(OFF-JT)では、事務・国際・技術・技能など職種別・階層別に専門性を高める研修コースや資格取得制度を整備し、技術・技能系社員には「デンソー技研センター」での高度なプログラムを整備しています。

◎主な研修・制度利用者[(株)デンソー]
 
2008年度
2009年度
2010年度
研修受講者数
8万7,000名
8万5,000名
8万7,000名
総時間
130万時間
108万時間
130万時間
社員一人当たりの年間平均研修時間
32時間
28時間
32時間

(5)若年技能者の育成

デンソーは、独創的な製品開発・生産を可能とする高度な 技術者・技能者の育成を企業成長の生命線と考え、1954年開設の「技能者養成所」の伝統を受け継ぐ「デンソー工業学園※」(工業高校・高等専門・短大課程)を運営しています。ここで育った若手技能者の中から世界最高レベルの技を競う「技能五輪国際大会」のメダリストを多数輩出しています。
※2011年4月、デンソー工業技術短期大学を名称変更。

(6)期間社員の正社員登用

(株)デンソーでは、多様な人材のキャリアアップを図るため、2005年度より期間社員から正社員への登用制度を設けています。2010年度は49名(2009年度443名)を正社員に登用しました。なお、同年度の期間社員数は2,666名です。