リスク管理

基本的な考え方

デンソーは、グローバルな事業展開に伴い、多様化するリスクを最小化すべく、内部統制の一環としてリスク管理の充実強化に取り組んでいます。具体的には、経営被害をもたらす恐れのある事柄を「リスク(まだ現実化していない状況)」と「クライシス(現実化した緊急事態)」に区分し、事前にリスクの芽を摘む未然防止、クライシスが発生した場合に被害を最小化する迅速・的確な初動・復旧対応に注力しています。

推進体制

2003年5月に全社横断的な組織として「リスク管理会議」を設置し、生命・信用・事業活動・財産に影響を及ぼす恐れのある58のリスク項目を選定して各項目ごとに主管部署を設置。予防・復旧策を継続的に見直し、レベル向上に努めてきました。2009年度には、デンソーに期待される社会的責任を最大限に果たすため、リスク管理をCSRの基盤と位置づけ、推進体制の統合・強化を図りました。これにより、平時におけるリスク管理体制・仕組みの継続改善と浸透活動を「CSR推進会議」に組み入れ、クライシス発生時(有事)の初動対応については、従来の「リスク管理会議」で推進する体制としました。さらに、事態の大きさや緊急度によって専門の「対策組織」を編成し、被害の最小化に向けた機動的な対応を可能としています。
また、国内外の連結マネジメント会社および当社が筆頭株主であるグループ会社でも、従来のリスク統括責任者の役割をCSRリーダーに一元化し、その傘下にリスク項目ごとの責任者を配置。デンソーの主管部署や地域本社のサポートのもと継続的なレベルアップを図っています。

◎リスク管理体制

図:リスク管理体制

浸透・啓発活動の拡充

リスク管理やクライシス対応では、職場リーダーである管理職の意識・行動が重要であることから、2010年度も新任の部長・工場長・製造部室長を対象に研修を実施し、76%が受講しました。また、海外拠点のリスク管理を強化するため、現地法人の社長として出向予定の社員向けにリスク管理教育を継続実施し、18名が受講しました。

一般社員には、常時携帯を義務付けている「リスク管理ハンドブック」(2004年初版策定)を一人ひとりの意識をより喚起する内容に改訂して全社員に配布し、火災・交通事故・地震発生時での的確な対応を促しています。

東日本大震災への対応とリスク管理の強化

2011年3月11日、三陸沖を震源とする巨大地震発生の第一報を受け、デンソーは「震災対応マニュアル」に基づき、直ちに災害対策本部(本部長:社長)を設置し、社員の安否確認・被害状況の把握に全力を注ぎました。そして、東北・関東地域の甚大な被害が明らかになると、対策本部は「被災地の復旧・復興支援を最優先課題」と位置付け、グループ会社を含む全社に伝達しました。同時に、自動車部品メーカーとしての供給責任を果たすため、お客様への在庫情報の提供、サプライチェーンの回復に向けた仕入先様の復旧支援に注力しました。同時に、自動車メーカーの減産に対応するため、一部工場・製造ラインの稼働を停止し、生産設備の効率改善に取り組みました。

また、東日本大震災を機に「巨大津波、液状化現象、原発事故と計画停電」など新たなリスク要因が判明し、事業継続マネジメントの観点から、東海・東南海地震を前提とするリスク対策の見直しに着手しました。これら一連の取り組みについては「特集2:事業継続に向けたリスクマネジメント」をご覧ください。

◎クライシス発生時の対策組織

図:クライシス発生時の対策組織