リスクマネジメント

基本的な考え方

デンソーは、グローバルな事業展開に伴い、多様化するリスクを最小化すべく、内部統制の一環としてリスクマネジメントの充実強化に取り組んでいます。具体的には、経営被害をもたらす恐れのある事柄を「リスク(まだ現実化していない 状況)」と「クライシス(現実化した緊急事態)」に区分し、事前にリスクの芽を摘む未然防止、クライシスが発生した場合に被害を最小化する迅速・的確な初動・復旧対応に注力しています。2008年度は、リスク管理の核となる職場リーダーへのリスクマネジメントの啓発・浸透、事業復旧計画(BCP)の推進を重点的に取り組みました。特にBCPの一環として、人命最優先の初動対応を中心とするマニュアル「東海地震への対応」(2002年策定)を「震災対応マニュル」として大幅に改訂。東海・東南海地震の併発を想定し、従来より厳しい状況での事業の早期再開に向けた復旧対応(対象範囲の拡大)、社員各自の持ち場における基本的な行動手順・ 要領(詳述化)を明記しました。そして、2009年4月、新マニュアルの妥当性の検証と改善点抽出のため、豊橋製作所(愛知県)で800名が参加する大規模な訓練を実施しました。
※Business Continuity Plan

推進体制

全社横断的な組織として「リスク管理会議」を設置し、 生命・信用・事業活動・財産に影響を及ぼす恐れのある58のリスク項目を選定して各項目ごとに主管部署を設置。予防・復旧策を継続的に見直し、レベル向上に努めています。 また、国内外の連結マネジメント会社および当社筆頭株主 のグループ会社でも、リスク責任者を配置し、デンソーと情報を共有しながら該当するリスク項目ごとに「自己診断シート」による自主点検を実施。主管機能部や地域本社のサポートのもとで、継続的にレベルアップを図っています。

◎リスク管理体制

図:リスク管理体制

◎主なリスク項目
内的要因の
事故・ミス
環境汚染、労働災害、ユーザークレーム問題拡大、人事・労務関連トラブル、人権問題、機密漏洩、リコール、不良債権、 交通事故、生産障害、情報システム障害、契約義務違反など
法令違反
独禁法違反、外為法違反、脱税、他社特許の侵害、社員・役員の犯罪・不祥事など
外的要因の
事故・事件
当社株の買占め、株主代表訴訟、PL訴訟、偶発事故、輸送 機能トラブル、サイバーテロなど
自然災害
遭遇事変
急激な為替・金利の変動、自然災害、遭遇事変、仕入先被災など

浸透・啓発活動の拡充

リスク管理やクライシス対応では、職場リーダーの管理職の意識・行動がポイントになるため、2008年度も部 長職・工場長・製造部室長・国内グループ会社の管理責任者を対象に研修を実施し、67%が受講しました。また、海外拠点のリスク管理を強化するため、社長として出向予定の社員が受講する拠点長教育にリスク管理のカリキュラムを新たに組み入れ、25名が受講しました。一般社員には全員に「リスク管理ハンドブック」の常時携帯を義務付け、 火災・交通事故・地震発生時の的確な対応を促しています。

新型インフルエンザへの対応

数年前からの新型インフルエンザ流行の懸念に対し、デンソーでは感染予防の観点から関係部署で基本方針や対応マニュアル(2006年11月初版、現在第3版)を策定して社員への啓発を図ってきました。そして、2008年8月のインドネシアでの集団感染を契機に全社的な対策組織を立ち上げ、フェーズごとの行動計画を策定。発生の可能性が高いとされたアジア・中国を中心に各グループ会社の行動計画を策定しました。

さらに、2009年4月の新型インフルエンザの発生に伴い、メキシコ・米国・カナダおよび欧州でも行動計画を策定し、感染予防を含む対策を実施しました。その後、相当数の感染者が確認された日本や豪州でも、状況を注視しつつ行動計画を検証して具体的な対策を推進します。

◎クライシス発生時の対策組織

図:クライシス発生時の対策組織