社長メッセージ

デンソーグループの総智・総力を結集して
持続可能な社会づくりに取り組みます

東日本大震災について

2011年3月11日、三陸沖を震源にマグニチュード9.0の地震が発生し、死者・行方不明者2万人を超える未曾有の大災害となりました。
この震災で被災された皆様に、心からお見舞い申し上げるとともに震災直後から救援・復興に尽力されている方々に心から敬意を表します。また、世界中から差しのべられた日本への支援に深く感謝いたします。

3月11日は、愛知県刈谷市の本社でも長く大きな揺れを感じ、直ちに災害対策本部を設置して情報収集に努めました。社員の無事は確認できたものの、東北・関東地域の販売会社およびグループ会社数社の建物が一部 損壊しているという状況でした。
さらに、仕入先様でも約600にのぼる工場の被害が確認され、デンソーの各工場も部分操業となり、お客様・仕入先様には多大なご迷惑とご心配をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。

私は3月下旬に被災地を訪れ、惨状を目の当たりにして改めて被害の甚大さを認識するとともに、被災地の復興支援をすべてに優先して取り組まなくてはならないと決意しました。

被災地復興支援について

デンソーではグループを挙げて、震災直後から様々な支援活動を始めました。中でも、大きな被害を受けた宮城県石巻市への人員派遣は、「復興支援を組織的・継続的に行いたい」という社員からの提案がきっかけで始まったものです。
この取り組みでは、作業にあたる社員の安全確保を第一に、多くの部署が連携して綿密な計画を立て、バックアップ体制を敷きました。希望者を募ると1チームの派遣期間が1週間に及ぶにもかかわらず多くの社員が手を挙げ、職場では長期の活動ながら本人の意思を尊重して温かく送り出してくれたことを非常にうれしく思っています。
デンソーの支援活動については、特集でご紹介しています。

生産レベルの回復と今後の取り組み

自動車業界では寸断されたサプライチェーンの早期回復に向け、業界が一丸となり被災工場の復旧に全力で取り組みました。こうした活動の結果、デンソーも7月には、ほぼ震災前の生産水準まで回復することができました。
一方で、今回の大震災を教訓に、生産拠点が集中する東海地方での地震対策についても早急な再点検が必要です。どのような自然災害に見舞われた場合でも、デンソーは社員の安全を第一に、被害を最小化して早期に事業復旧を図り、製品を供給し続けるという部品メーカーとしての責任を果たさねばなりません。そのため、今後はグループ一体となったリスクマネジメントの強化に一層注力してまいります。
この取り組みについては、特集でご報告しています。

グローバル企業として果たすべき責任

私たちは被災地の復興支援に尽力すると同時に、先進的な技術開発や高品質なモノづくりを通じて持続可能な社会づくりに貢献していかなければなりません。
デンソーがめざす姿は『デンソービジョン2015』に明記している通り、「環境負荷や交通事故の心配がなく、快適なドライブやクルマの利便性が享受できる、豊かなクルマ社会づくりへの貢献」です。それこそがまさにデンソーが事業活動を通じて果たすべき社会的責任です。
その具体策として、2010年11月に発表した「2015年環境行動計画」では、新たに新興国における環境対応強化と施策の充実を盛り込み、「低炭素」「循環型」「自然共生」をキーワードに、環境技術・製品の研究開発や世界規模での環境負荷物質の低減などの取り組みを拡充してまいります。
また、デンソーはグローバルに事業を展開する中で、それぞれの地域でステークホルダーの皆様から必要とされる存在であり続けなくてはなりません。そのためには、企業市民として地域が抱える課題に関心を持ち、解決に向けて積極的に活動することが大切です。
その一例として、2010年度は25の国と地域で約5万4,000人の社員が「デンソーグループハートフルデー」として、地域社会に密着した社会貢献活動を行っています。
これらについてはこちらでご報告しています。

社員一人ひとりの行動がデンソーのCSR活動に

2010年11月には社会的責任の国際規格であるISO26000が発行され、グローバル企業がチャレンジすべき課題が世界中で共有されました。一方で、世界には自動車業界として積極的に取り組まなくてはならない、交通事故撲滅や環境負荷低減など様々な課題が山積しています。いずれも、一朝一夕に解決できるものではありませんが、12万人以上のデンソー社員が社会で起きている課題を真剣に自分のこととして考え、行動することができれば、持続可能な社会づくりに微力ながらも貢献できると信じています。同時に、社員一人ひとりが仕事を通じて社会の課題解決に貢献しているという誇りを持てるような会社・職場を社員と共につくり上げていくことが私の使命であると考えています。

本レポートでは、東日本大震災にデンソーがどう向き合ったかについて特集として多くのページを割いています。この震災で得た教訓や課題に今後どのように対処していくかによって、デンソーのCSR活動の真価が問われると考えているからです。
本レポートをご一読の上、一人でも多くのステークホルダーの方々から忌憚のないご意見・ご提案をお寄せいただきますようお願い申し上げます。

株式会社デンソー
取締役社長
加藤 宣明