MEMS(微小電気機械システム)技術

MEMS技術について

MEMS(Micro Electro Mechanical Systems:微小電気機械システム)とは、半導体プロセス技術によって半導体ウエハに作られたミクロ構造体です。一般的にシリコン基板上に、電気機械構造を3次元的に作り込む技術やその技術を活用して製造した部品を総称したもので、µm(100万分の1m)単位の高度な微細加工技術が求められます。

近年、MEMS技術は、センサやインクジェット式プリンタヘッドなどの様々な製品用デバイスに採用されてきました。デンソーは、これまで実現不可能であったより深く、細長い溝のあるMEMS技術を開発し、この技術を自動車用加速度センサやマイクロレーザスキャナなどの将来の製品に適用しています。

半導体加速度センサへの適用について


図1:半導体加速度センサの構造


図2:半導体加速度センサ(電子顕微鏡で2000倍に拡大)

自動車安全技術の進化に伴い、さらに小型で低コストな半導体加速度センサの需要が増加しています。デンソーは、高度なMEMS技術を用い、エアバッグシステム、VSC(車両安定制御システム)、ABS(アンチロックブレーキシステム)のような安全システムに世界最小の半導体加速度センサを供給しています。

半導体加速度センサは、電気容量の変化から加速度を検知する固定・可動電極を持つセンサ素子と、電気容量の変化を電気信号に変換する制御回路より構成されます。

デンソーの最新の半導体製造技術により、通常、ウェットエッチングとドライエッチング工程の両方が必要なところを、ドライエッチング工程だけで、可動電極を絶縁体上シリコン(SOI)の基板に形成することができます。(図1・2)この技術によって、製造工程が簡素化され、生産性が向上した結果、加速度センサの低コスト化を実現することができました。この加速度センサは、15µmという世界最薄の固定・可動電極により、広い検出範囲と高い信頼性を実現します。

将来の製品への適用について

デンソーは、1970年代初めから、多くの革新的な製品を開発しながら、半導体技術を継続的に進化させてきました。現在、加速度センサの開発で培った技術とノウハウを、超小型光学素子の開発に適用し、マイクロレーザスキャナのような新製品に応用する努力を続けています。

マイクロレーザスキャナは、マイクロプリズムとレーザダイオードで構成されています。デンソーは、現在、MEMS技術を用いて一列に並べられたマイクロプリズムを作ることにより、従来の機械式レーザスキャナよりも約1/100の大きさのマイクロレーザスキャナを開発中です。デンソーは、このマイクロレーザスキャナを自動車用システムに活用していきます。